本学会が共催で、広く一般の方向けの市民公開講座を開きます。本講座では、
認知症と軽度認知障害(MCI)について、以下の目標を掲げています。
- 病院の診断や治療について知識を得る
- ケアを知り、身近な人の対応に役立てる
- その状態になったり、なった人が身近にいたりしたら、自分だけで悩まないですむようなサポート体制について知る
軽度認知障害(MCI)とは?〜認知症の早期診断からケアまでつなげよう〜
日時:2026年2月15日(日)14:00−15:30(開場13:30)
場所:天童市市民文化会館 大ホール
対象:どなたでも。申し込み不要、受講は無料です。
総合司会 鈴木昭仁(山形大学医学部 精神医学講座 教授)
1,医療講演~軽度認知障害(MCI)と認知症はちがうのですか?~
座長:太田康之 山形大学医学部 内科学第三講座(神経学分野)教授
講師:伊関千書 東北大学医学系研究科 高次脳機能障害学 講師
2,看護・ケア講演〜MCIからのケアも含めた看護〜
座長:小林良太 山形大学医学部精神医学講座 准教授
講師:我孫子久美 公立高畠病院看護部 認知症認定看護師
3,行政講演〜困る前にどうする?困ったらどうする?〜
座長:中嶋信人 北村山公立病院 脳神経内科 医長
講師:大江 祥子 社会福祉士 主任介護支援専門員
MCI(軽度認知障害)
認知症、という言葉は、日常的に耳にしたり会話に出てくる身近な言葉になっています。
また最近、軽度認知障害(MCI, Mild Cognitive Impairmentの頭文字を取って、エムシーアイと呼ばれることもあります)という言葉を、最近耳にしたことがある方もいませんか?
MCIは、正常の認知機能と認知症の間、
認知症の手前、
と言えばいいのかもしれませんが、
認知症自体も、MCIも、何かの検査の点数でピッタリと診断しているものでもありませんので、
わかりにくい。それに、実は「認知症」も「MCI」も、症状だけで説明している言葉なのです。
認知症には「原因となる病気」がある
例えば、
- アルツハイマー病による認知症ならば、Aという治療をしよう。
- 特発性正常圧水頭症(ハキム病)による認知症ならば、Bという治療をしよう。
といったように、
認知症を起こす原因の病気があって → 物忘れなどの「認知症」の症状がある
そして
認知症を起こす病気の種類によって、治療やケアの方針が異なる
だから、
認知症を起こす病気の病名の診断を受ける意味があるのです。
MCIを見つける意味
風邪でもこじらせる前に治療をしたほうがいいです。
同じように、認知症も進行してしまう前に、治療やケア、サポートを考えはじめたほうがいいのです。
そのヒントが、MCIにあります。
どのような認知症の原因の病気であっても、
進行しすぎる前に、MCIのうちに、できることを考え始める時代がきました。
これは、認知症の治療、ケア、サポートが一体となりながら、一歩進んだ時代が来たと言えます。
身近な病気、認知症を、共にこの進化の時代の目で見ていきましょう。
共催:第27回日本正常圧水頭症学会学術集会、エーザイ株式会社、バイオジェン・ジャパン株式会社
後援:山形県、天童市、高畠町